Εὕρηκα!

西洋古典学って、ご存知ですか?

ディズニー映画『ヘラクレス』コメンタリ ~Hydra~

前回の記事はこちらeureka-merl.hatenablog.com 「助けて!ひどい事故があったの!」と人ごみを掻き分けやって来たのはメガラ。 彼女曰く、町外れの谷間で男の子たちが遊んでいたところ、巨大な岩が落ちてきてふたりが下敷きに―― ヒーローになるために解決す…

ディズニー映画『ヘラクレス』コメンタリ ~Thebes~

前回の記事はこちら eureka-merl.hatenablog.com メガラと別れたヘラクレス御一行は無事にテーバイ上空へ来ていました。 そうだね~~~テーベことテーバイでは本当にたくさんの悲劇が生まれたよね~~~ a million troublesだよね~~~(みなまで言わない)…

ディズニー映画『ファンタジア』第五章コメンタリ【後編】

前編はこちら。 eureka-merl.hatenablog.com 後編では第三楽章「田舎の人々の楽しい集い」、第四楽章「雷雨、嵐」、第五楽章「牧歌 嵐の後の喜ばしい感謝の気持ち」の解説です。 前編に登場した神話生物たちに加え、神さまがたくさん登場します。

ディズニー映画『ファンタジア』第五章コメンタリ【前編】

ディズニーがギリシャ神話モチーフを使った映像作品は『ヘラクレス』だけじゃないんやでって話。 『ヘラクレス』のコメンタリはこちらからどうぞ。eureka-merl.hatenablog.com 今回取り上げる『ファンタジア』は、ディズニーが1940年に製作した作品です。『…

【どう森×古典学】森のどうぶつ達意外と教養ある説【後編】

あつまれどうぶつの森略してあつ森発売記念じゃ~い!!(二回目) 任天堂の人気シリーズ「どうぶつの森」の登場キャラクターたちの「好きな言葉/座右の銘」と、関連する古典作品を紹介していく記事の後編です。 前編はこちらからどうぞ。 eureka-merl.hate…

【どう森×古典学】森のどうぶつ達意外と教養ある説【前編】

あつまれどうぶつの森略してあつ森発売記念じゃ~い!! 皆様ご存知でしょうか「どうぶつの森」シリーズ。 2001年にNINTENDO64向けソフトとして第一作が発売され、ゲームキューブ、ニンテンドーDS、Wiiといったハードが出るたびに新作が誕生し、もうすぐNint…

ディズニー映画『ヘラクレス』コメンタリ ~Megara~

前回の記事はこちら eureka-merl.hatenablog.com ネッソスを退治したヘラクレスは、助けた相手であるメガラに一目惚れ。 不器用ながらも懸命にメガラを口説こうとするヘラクレスですが、彼女は彼の求愛をひらひらとかわして立ち去りました。 彼女の正体はす…

ディズニー映画『ヘラクレス』コメンタリ ~Damsel in distress~

前回の記事はこちら eureka-merl.hatenablog.com ピロクテテスによる英雄講座を受講したヘラクレスは実地訓練を積むためにテーバイへ向かいます。が、その途中聞こえたSOS信号、もといDID(Damsel in distress:乙女の危機)信号を受けてある川へ降り立ちま…

「ソアリン:ファンタスティック・フライト」で見つけた古代世界

ご存知かもしれませんが私ディズニーが好きでして(オタクを自称するのは怖いからやめときます。笑)、先日もディズニーシーに行ってきたんです。 そして去年の7月に出来た新アトラクション「ソアリン:ファンタスティック・フライト」にやっと!初めて!乗…

ディズニー映画『ヘラクレス』コメンタリ ~One last hope~

前回の記事はこちら。また長いこと空けてしまって申し訳ございません…。 eureka-merl.hatenablog.com 無事にピロクテテスに会うことができ、ヘラクレスは彼に英雄になるための指導をお願いします。 なかなか乗り気にならないピロクテテスでしたが、 ゼウスの…

クリエーターズマーケットvol.41出品目録

今年のオープンキャンパスにあわせて製作したアクセサリーたちがたいへんな好評を得たので、販売することにしました! オープンキャンパスで私がやらかした諸々の所業についてはこちらの記事をご覧ください。 eureka-merl.hatenablog.com 1週間後に開催され…

バッコスの信女たち@あいちトリエンナーレ

『縛られたプロメテウス』と同様、ギリシャ悲劇をベースにしていて、今年のあいちトリエンナーレを締めくくる日程で上演されたのが『バッカイ』です。 演出は劇団Qの主宰である市原佐都子氏により、正確なタイトルは『バッコスの信女たちーホルスタインの雌…

縛られたプロメテウス@あいちトリエンナーレ

10/14(月)に閉幕したあいちトリエンナーレで発表されたパフォーミングアーツ『縛られたプロメテウス』の鑑賞レポートです。 私があの部屋で見たものを、私の記憶に残っているまま、記録しています。なので、実際の内容とは多少のズレが生じていると思います…

【後編】ギュスターヴ・モロー展@ハルカス美術館

↓前編はこちら↓ eureka-merl.hatenablog.com 今回扱うのは残った8人、女怪・聖書の女性・歴史上の女性、なのですが、 メインに据えられたサロメの話も少ししておきますと、彼女もまた聖書に登場する女性です。 といっても、新約聖書では「サロメ」という名…

【前編】ギュスターヴ・モロー展@あべのハルカス美術館

大阪は阿倍野の地にそびえるあべのハルカスの16階、あべのハルカス美術館にて開催されている「ギュスターヴ・モロー展 サロメと宿命の女たち」に行ってきました~! 宿命の女、すなわちfemme fataleというテーマはいつだかのミュシャ展でも用いられていまし…

オープンキャンパスでさんざんふざけた話

去る8月9日、名古屋大学文学部のオープンキャンパスが開催されまして、 我ら西洋古典学研究室は学生が古代ギリシャの衣服を着てもてなし、また高校生にも試着してもらえるコーナーを設けました!! もうね、先生が帰郷してて不在やからって好き放題やったっ…

「さらざんまいのうた」ラテン語訳してみた

またやってしまいました。 アニソン古典語訳第二弾は、2019年春アニメ「さらざんまい」より、挿入歌「さらざんまいのうた」です。 記事の内容は前回と同様、 Ⅰ ラテン語歌詞とそのカタカナ読み Ⅱ ラテン語歌詞の日本語訳 Ⅲ 日本語歌詞、ラテン語歌詞、メロデ…

Jアイドル×ギリシャ哲学!?「人生、すなわちパンタ・レイ」

現代日本が誇るサブカルチャー、アイドル。 いまは様々なアイドルグループが乱立するアイドル戦国時代。その中でも前線で活躍し続けている勢力がハロプロことハロー!プロジェクトです。 先日、ハロプロ内のアイドルグループ「アンジュルム」が、CD三枚組の…

ディズニー映画『ヘラクレス』コメンタリ ~Encounter with Phil~

前回の記事はこちら eureka-merl.hatenablog.com そういやヘラクレスとペガソスが降り立った島の名前、本編では言及されていませんが、もしかするとエーゲ海北部の島・レムノス島かもしれません。 神話が語るにはピロクテテスもトロイア戦争に参加した英雄で…

ディズニー映画『ヘラクレス』コメンタリ ~Search for Philoctetes~

前回の記事はこちら eureka-merl.hatenablog.com 本来自分がいるべき場所は神々の住まいオリュンポスであったと知ったヘラクレス。 人間である彼が再びその地へ戻る(=神になる)方法は、地上で本物のヒーローになることと父ゼウスは教えます。 ヒーローに…

ディズニー映画『ヘラクレス』コメンタリ ~Go the distance → Zeus' temple~

前回の記事はこちら eureka-merl.hatenablog.com 有り余る力を制御しきれず、周囲から疎まれるヘラクレス。 自分の本来の居場所を探そうとします。 ここで主題歌のGo the distanceが歌われます。 このへんからディズニーヘラクレスには本家ヘラクレスだけで…

ディズニー映画『ヘラクレス』コメンタリ ~Boy with mighty strength~

本当に長らくお待たせしました。 前回の記事はこちら。 eureka-merl.hatenablog.com 前回までは赤ん坊ヘラクレスでしたが、一瞬で大きくなります(笑) 赤ん坊でありながら蛇をやすやすと退治してしまった ヘラクレス。その怪力も体の成長と共に順調に育った結…

プラド美術館展@国立西洋美術館

国立西洋美術館での展示期間は終了して、今は兵庫県立美術館で開催されている「プラド美術館展―ベラスケスと絵画の栄光―」 開館時間やチケットの料金など、詳しいことはこちらから美術館の特設ページをご覧ください。 絵画は7章構成になっており、第3章が「…

『聖なる鹿殺し』とギリシア悲劇

先日、映画『聖なる鹿殺し』を観てきました。 原題はThe Killing of Sacred Dearで、日本語題はそのまま訳したものになっています。 このサイコホラー映画の監督はギリシア生まれのヨルゴス・ランティモス氏です。日本で公開された彼の作品にはほかに『籠の…

『うたえ!エーリンナ』についてあれこれ

ツイ4というサイトで連載されていた漫画『うたえ!エーリンナ』、先日単行本化されましたね!詩人になることを夢見る、(当時の価値観に基づけば)ちょっと変わった女の子エーリンナの女学校生活のお話。 作者は佐藤二葉さん。古代ギリシアの竪琴リュラーを弾…

『アンチゴーヌ』観てきました

2/17(土)、穂の国とよはし芸術劇場PLATにて『アンチゴーヌ』13時の回を観てきました! 原作者は20世紀フランスの劇作家ジャン・アヌイ。 それなりに古典の知識を持つ方ならタイトルからお察しのとおり、この劇は古代ギリシアの悲劇作家ソポクレスによる『ア…

「ようこそジャパリパークへ」ラテン語訳してみた

2017年冬に放送されたアニメ「けものフレンズ」のオープニングテーマ「ようこそジャパリパークへ」をラテン語訳しました。 …それだけです(笑) 内容は以下のとおり。 ☆ラテン語歌詞と読み方(あくまで文字通りの読み方なので、歌うときの読みは解説を参照して…

怖い絵展@上野の森美術館

東京に来る前には神戸でやっていましたね。 「どうして。」というシンプルなキャッチコピーと処刑直前の若い娘の絵は、とってもわかりやすく怖い。とはいえ「怖い」と感じるかどうかは人それぞれで、この展覧会にもさまざまな「怖い」が揃っていました。 中…

ディズニー映画『ヘラクレス』コメンタリ ~Kidnapped Hercules~

前回の記事はこちら。eureka-merl.hatenablog.com 前回はヴィランズのハデスとその取り巻きが登場いたしまして、今回で起承転結の「起」が終わりそうです。

ディズニー映画『ヘラクレス』コメンタリ ~Hades~

前回の記事はこちら eureka-merl.hatenablog.com 前回はオリンポスの神々+αをひたすら紹介して終わりましたが、今回も似た感じになりそうです。 もっとも、前回のようなキラキラした登場人物は少ないのですが。