メドゥーサを退治し、ケートスを退治し、意地悪い男たちをさくさくっと石にしたペルセウス。母ダナエと妻アンドロメダを連れ、本来の故郷であるアルゴスへと帰ります。
その前に怪物退治に使った武器や防具をヘルメスに返しました。
そしてメドゥーサの首はもう用が無いのでアテナに捧げました。まぁそばに置いておいてうっかり石になりたくもないですしね。
アテナは受け取った首を自分の防具アイギスにずぶずぶと埋め込みました。防具としてはかなり強力になるわけです。敵が勝手に石になるんですから。
この絵を覚えていますか?
左端のアテナの隣にある盾に女の首が描かれていたのは、こういういきさつがあったのです。
アルゴスへ帰ろうとするペルセウスご一行。そこには祖父アクリシオスがいました。が、彼はペルセウスが恐ろしくてたまらず、ラーリッサという土地に引っこみます。
そりゃ自分を殺すであろうという神託のある孫ですからね。怖くて当然。
さてさて時は流れ、ラーリッサの国王が亡くなり、新しく王となった息子テウタミデースは葬礼競技祭を開催することにしました。そこにペルセウスもやって来ます。
彼が参加した競技は円盤投げ。円盤がすーーっと飛んでいき…
がつーーん
と観客の老人に当たってしまい、老人は命を絶たれます。
実は、この老人こそ、お忍びで競技を見に来ていたアクリシオスでした。神託どおり、孫に殺されてしまったのです。
その事実を知ったペルセウスは、祖父を殺してしまったことを深く恥じ、手厚く葬った後、アルゴスを去って別の土地へ移ったそうです。
ペルセウスをめぐる一連の物語はこれで完結します。
ギリシア悲劇詩人のソポクレスはこの神話を題材に『アクリシオス』『ダナエ』『ラーリッサの人々』を書いたのですが、全て散逸して残っていません。