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Εὕρηκα!

西洋古典学って、ご存知ですか?

古代ギリシャ展@東京国立博物館

台風改め温帯低気圧が迫る中、行ってきました。

実際、館から出た直後は豪雨でした。

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特別展「古代ギリシャ ―時空を超えた旅―

実は会場の東京国立博物館(以下、東博)には初めて行きました~。

相変わらず写真撮るの下手くそで申し訳ないです;;

コラージュ画像下部は、左から本館、表慶館、平成館です。せっかくなので撮って来ましたw

 

総出品作品数は325!!

言っときますがものすごく規模が大きい!かなり見応えあり!

しかも展示場内の装飾がけっこうおしゃれ。展示品と合わせて注目していただきたいところ。(ただ、巡回先で同じものが実現されるかはわかりません。広い東博だからできたことかも…。)

 

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図録はずっしり400ページ+α(挨拶文とか)

持って帰るの大変でした。笑

一枚目(表紙)はテラで出土した《漁夫のフレスコ画》

二枚目(裏表紙)は、左がボイオティアのアポロン神殿から出たクーロス像、右がアテナイのアクロポリスから出たコレー像。(クーロスは青年、コレーは娘の意味)

 

一言言っておくと、ギリシア政府はとても太っ腹です。詳しいことは後程。

 

 

展示は8章構成になっています。

<1.古代ギリシャ世界の始まり

紀元前6500~2300年頃(石器時代青銅器時代)の壺やら石像やら装飾品のセクション。原始的な様式。それでも文明があったというだけで素晴らしい。

こういうの見ると、「この頃日本は…」と考えて切なくなりますw

 

<2.ミノス文明

紀元前3000~1100年頃にクレタ島で生まれた海洋文明に関するセクション。

「ミノス」は、神話上のクレタ島の王様の名前です。

石像などには先のセクションのような”文明の興り”を感じさせる品もありつつ、器の模様なんかは洗練されてきたなと思わせます。海洋文明らしい、蛸が描かれた酒甕や、巻貝型のリュトンが素敵。

ポスターや図録表紙、看板に使われている《漁夫のフレスコ画》は前17世紀のもので、このセクションで展示されています。

また、平成館前看板左の《牛頭型リュトン》は前1450年頃クレタ島で出土したもの。

 

<3.ミュケナイ文明

紀元前1600~1100年頃に栄えたミュケナイ文明。ミノス文明の作品とよく似たものがちらほらあります。

「捕われのギリシアは野蛮な勝利者を捕えた(Graecia capta ferum victorem cepit)」

というホラティウス(『書簡詩』2.1.156)の言葉を思い出します…。土地が征服されても、優れた文化は生き残るのです。

見どころは、シュリーマンが発掘したという黄金製品の数々!

「なんか見たことあるな~」と思っていたら、昨年10月から今年5月まで巡回していた黄金伝説展で出品されていたのと同じものでした!!笑

 

セクション3と4の間は、いわゆる「暗黒時代」です。

パネルだけでの紹介でしたが、真っ黒な壁が神秘的でした。図録での解説はキュクラデス博物館の館長さんが担当しています。今後の研究の展開が楽しみです。

 

<4.幾何学様式~アルカイック時代

紀元前900頃~480年。

器の文様が変化していくのが面白い。あと、作品に書かれている文字が線文字Bからギリシア文字に変わります。読めるぞ!

いろんな土地から出土した像やら武具やら硬貨やらが盛りだくさん。おなじみの神話モチーフもぼちぼち出てきます。

図録のクーロス像とコレー像はここにいます。そこそこでかいぞ。

 

<5.クラシック時代

紀元前480~323年。アテナイが栄えに栄えた古典期です。

主に大理石像や浮彫り、赤像式陶器がずらり。演劇用の仮面や決議碑文、医療用器具まで来ています。やはり盛りだくさん。

個人的に最も感動したのは、テミストクレスやアリステイデスの名前が入った陶片(オストラコン)ですね。いわゆる陶片追放で使われたもの。

 

<6.古代オリンピック

競技者を描いた陶器や銅像、競技用の円盤や、競技前に塗る香油の容器・アリュバロスに、競技後の垢掻きに使うヘラ・ストレンギスなどなど、オリンピック競技に関する品が並んでいます。

五種競技(徒競走、円盤投げ、槍投げ走り幅跳びレスリング)に関するビデオも流れていて、競技の様子がとてもわかりやすく解説されていました。

次回夏季五輪開催国(しかも開催都市)ゆえに気合入ってるのかなぁと考えていましたが、どうなんでしょう?笑

 

<7.マケドニア王国

みんな大好き(?)アレクサンドロス大王と、その父フィリッポス2世に関する展示。

もうちょっと正確に言うと、アレクサンドロスがいかにギリシア文化を受け入れたかという展示。

金・銀製品がとてもたくさんあります。細工がとにかく見事。って黄金伝説展の時も言いましたけど、改めて。

 

<8.ヘレニズムとローマ

平成館前看板の右にいるアルテミス像が登場。

このセクションは大理石像と青銅像がメイン。でも見どころは、床に敷かれた《アフロディテを表したモザイク》だと思います。

紀元後3世紀のものらしいですが、キリスト教が権力を握るまで、ギリシャ文化がいかに根付いていたかがよくわかります。

 

*****

 

この展覧会にはぜひ足を運んでいただきたい!これのために東京まで来た甲斐がありました!脚は疲れましたが!笑

先ほど「ギリシア政府は太っ腹」と言いましたが、どういうことか。

ミュケナイ文明やマケドニア王国のセクションには、黄金伝説展と同じ作品が出品されています。黄金伝説展は昨年10月半ばから、このギリシャ展は来年4月あたままで。

ということは、約1年半にわたり、日本に作品を貸し出してくれているのです。

金属製品は絵画などに比べて保存しやすいということを踏まえても、これほど長期間貸し出してくれるのはかなり寛大だと思います。まぁギリシア政府が古代文明の出土品にどれほどの価値を見出しているかは存じませんが…。

こんな機会が次いつ訪れるかわからないので、ぜひぜひ今のうちに!!

 

<巡回予定>

~2016/9/19 東京国立博物館(平成館)

2016/10/14~12/11 長崎県美術館

2016/12/23~2017/4/2 神戸市立博物館