ギリシア文学でホメロスと並んで学者たちをざわざわさせているものといえば、ギリシア悲劇でしょう。
1つの悲劇につき約1500行から2000行。作品の長さは叙事詩に比べれば圧倒的に短いものですが、質は負けず劣らず!
いわゆるギリシア古典時代(紀元前5世紀頃)には、ディオニュシア祭というアテナイの大きなお祭りで悲劇が上演されていました。「演劇コンテスト」と言っていいでしょう。
この演劇コンテストにも出場し、今なお悲劇詩人の代表として名を残している人物は3人――アイスキュロス(Αἰσχύλος)、ソポクレス(Σοφοκλῆς)、エウリピデス(Εὐριπίδης)――です。
今回はこの3人のうちエウリピデスについてお話していきます。
いつもよりは真面目です。たぶん。
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