↑こちらの続きです。
前回は日記所有者の名前の由来について解説していきましたが、
今回は
①主人公・雪輝とヒロイン・由乃のそれぞれの両親の名前について
②1期OPのラテン語歌詞による作品考察
を書いていこうと思います!
※前回よりネタバレ要素濃いめです、ご注意を。
天野九郎(アマノ・クロウ)
ゼウスの父であるクロノス(ローマのサトゥルヌス)から。
雪輝(ゼウス)の父ですからね。
親らしからぬ行動を働くところはクロノスに似ているかもしれません。
クロノスは我が子を呑み込むという、正直人間の倫理では測れないことをするのですが、これを子殺しの一種とみなすならば
雪輝の日記を破壊しようとした(=雪輝を殺そうとした)九郎も子殺しを犯しかけたとしてクロノスと一致します…。
天野礼亜(アマノ・レア)
ゼウスの母であるレア(ローマのオプス)から。
同じく雪輝(ゼウス)の母親なのでレアが宛がわれたのでしょう。
我妻潮(ガサイ・ウシオ)
「潮」という字から海に関する神であることは間違いないと思います。
なので、日記所有者の名前になかったネプトゥーヌスかなぁ
とも思ったのですが、雪輝の両親がティタン神族から名を採られている以上、
由乃の両親もまたティタン神族からなのではと思い、
潮さんは「オケアノス」と結論付けました。
我妻西果(ガサイ・サイカ)
潮の妻であり由乃の母である彼女は
オケアノスの妻であり、世界の西の果てに住まうと
言われる「テテュス」と思われます。
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さて、ここまでの内容をまとめると
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雪輝=ゼウス、由乃=ヘラ、火山=ヘパイストス、来須=ヘルメス、
礼佑=デメテル、椿=アポロン、マルコ=アレス、愛=アフロディーテ、
かまど=ヘスティア、みねね=アテナ、月島=アルテミス、
市長=ディオニュソス、平坂=ハデス、
(九郎=クロノス、礼亜=レア、潮=オケアノス、西果=テテュス)
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となります(ややこしいのでギリシア名で統一しました)。
やっぱりポセイドンがいません。
・日記所有者は12人
・登場人物の名前は神話から採られている
この2点から、名前はオリンポス12神と関係していると考えてしまいます。
が、どうにも12神は関係ない。
そもそもオリンポス12神は「オリンポス山上の宮殿に住んでいる」ことになっているので、冥界の王であるハデスは入らないのです。
そして、12神の構成は基本的に 男神6+女神6 なのですが、
ときどきヘスティアの代わりにディオニュソスが入ります(ヘスティアが甥にその座を譲ったと言われます…)。
さらに、ゼウスの兄弟である海洋神ポセイドンは必ず12神に数えられます。
ポセイドンがいなかったり、ハデスがいたり、ヘスティアとバッコスが共存している日記所有者(12神)のリストは、オリンポス12神とは全く関係ないわけです。
それを考えると、まぁ椿がアポロンでなくペルセポネでもいいような気はするのですが、アニメ主題歌がそうではないと言っていまして。
アニメ1期のオープニングであった、妖精帝國の『空想メソロギヰ』の中で数回挿入されている節があります(おそらく公式歌詞には記載されていません)。
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Consentes Dei(コンセンテス・デイ)
Juno (ユノ), Jupiter (ユピテル), Minerva (ミネルバ), Apollo (アポロ), Mars (マルス), Ceres (ケレス),
Mercurius (メルクリウス), Diana (ディアナ), Bacchus (バッコス), Vulcanus (ウルカヌス), Pluto (プルート),
Vesta (ウェスタ), Venus (ウェヌス)
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Consentesはラテン語で「ユピテルによって召集される神々の会議の構成員である12神」を意味し……、まぁオリンポス12神とイコールと考えて良さそうです。
なのでこれはオリンポス12神の名前を歌っているんだとはじめは思っていたのですが、
先ほど言った通りポセイドンの代わりにハデスがいて、ディオニュソスとヘスティアが共存しているので違います。
すると、この歌詞で示される神々と、日記所有者の名前のもとになった神々とが一致していることになります。
それゆえに消去法で「椿=アポロン」という結論に至りました。
苗字にも名前にも”春”の字が入っているので、プロセルピナも無関係ではないのかもしれませんが…。
Consentesと言いながらオリンポス12神とは違う名前を述べているのは、
「この作品のConsentesはこいつらやで~(不敬)」ってことでしょうか。
所有者の集いはまさに神々の会議のように見えますからね。天上の世界っぽいし。
召集しているのはゼウス(雪輝)ではなくデウス・エクス・マキナですが…
と!言いたいところですが!
デウス・エクス・マキナも本来は雪輝の想像上の存在であるはずなので、本当に雪輝が召集しているのかもしれません。
想像上の存在だからこそ「”機械”仕掛けの神」であるとも考えられます。
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ひとまず神話の観点から作品を紐解くとすればこの程度になるかと思います。
サブカル分野にも古典は根付いているものですね~。
またこういう作品に巡り会えたら何かしら書いてみたいです(・ω・)
あ、ちなみにムルムルは悪魔の名前らしいですが、ラテン語では「囁き」と「轟き」を意味します。
小さな存在と見せかけて、ゲームの進行を大きく左右するこの悪魔らしい名前ですね。