Εὕρηκα!

西洋古典学って、ご存知ですか?

「さらざんまいのうた」ラテン語訳してみた

またやってしまいました。

アニソン古典語訳第二弾は、2019年春アニメ「さらざんまい」より、挿入歌「さらざんまいのうた」です。

 

記事の内容は前回と同様、

ラテン語歌詞とそのカタカナ読み

ラテン語歌詞の日本語訳

Ⅲ 日本語歌詞、ラテン語歌詞、メロディ譜の画像

言い訳 解説

となっています。 

それでは さらっと いきましょう。

 

!! CAVE !!

① 楽譜画像ではラテン語の長音記号を省略します。記事本文では付けます。

② メロディ譜は素人の耳コピによるものなので、音階やリズムが違っていても許してください。(ただし、Aメロのコーラス部分は少しアレンジしました)

③ 解説は (ア) が目印です。

④ この歌詞で「歌ってみた」をやる上での報告は要りませんが、教えてくださればさらっと聴きに行きます。

 

楽譜作成ソフト:MuseScore 3.0

 

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Jアイドル×ギリシャ哲学!?「人生、すなわちパンタ・レイ」

現代日本が誇るサブカルチャー、アイドル。

いまは様々なアイドルグループが乱立するアイドル戦国時代。その中でも前線で活躍し続けている勢力がハロプロことハロー!プロジェクトです。

先日、ハロプロ内のアイドルグループ「アンジュルム」が、CD三枚組のアルバムをリリースしました。

↓これ

 

収録されていた新曲のひとつが

人生すなわちパンタ・レイ

 まさかアイドルの曲に古典ギリシャ語が出てくるなんてな!

 

パンタ・レイは「万物は流転する」という意味。

古代ギリシャの哲学者ヘラクレイトスの思想を一言で表した有名なフレーズです。

 

作詞作曲は、もはやアイドル業界ではすっかりおなじみの前山田健一さん。

ライナーノーツがあるか調べてみたところ、歌詞については公式ブログでこのように書いていました。

歌詞も「万物は流転する」という哲学的なものですが 

結果こしあんつぶあんか、みたいな歌詞です。

ちなみに僕はこしあん派です。

 

たしかに曲の内容はヘラクレイトスの思想とは違って単純で、

「わたし」は髪切ったり歳取ったり変化していくけどハートは変わんないっしょ?という歌になっています。

 

この記事では、「人生、すなわちパンタ・レイ」で使われているヘラクレイトスの言葉について解説していきます。

できるだけ簡単に。言い換えれば、私の理解の追いつく範囲で。

箇所で言うと①タイトル、②冒頭ナレーション、③ラスサビ直前…です。

 

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ディズニー映画『ヘラクレス』コメンタリ ~Encounter with Phil~

前回の記事はこちら

eureka-merl.hatenablog.com

 

そういやヘラクレスとペガソスが降り立った島の名前、本編では言及されていませんが、もしかするとエーゲ海北部の島・レムノス島かもしれません。

神話が語るにはピロクテテスもトロイア戦争に参加した英雄ですが、トロイアに着く前に脚に傷を受け、その傷が(おそらく膿んで)悪臭を放ちだしたがためにレムノス島に置き去りにされたのです。犯人はオデュッセウス。この神話に関してはギリシアの悲劇詩人ソポクレスが『ピロクテテス』という悲劇を書いています。この悲劇に出てくるオデュッセウスはマジで外道。

ちなみにピロクテテスが武器として携えていたのはヘラクレスの弓。この映画では(見方によれば)関係が逆転しているわけです。

まぁそういうわけでこの島はレムノス島だという推測はせめてそこだけはピロクテテス要素があってほしいという私の願望の表れでもあります。

 

補足はこのくらいにして本編の続きを見ていきます。

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