↓前編はこちら↓
今回扱うのは残った8人、女怪・聖書の女性・歴史上の女性、なのですが、
メインに据えられたサロメの話も少ししておきますと、彼女もまた聖書に登場する女性です。
といっても、新約聖書では「サロメ」という名前は出ておらず、ただ「ヘロディアの娘」と書かれています。
『マタイによる福音書』14章1~12節と、『マルコによる福音書』6章14~29節とにサロメは登場します。
サロメのエピソードはモローだけでなく多くの芸術家の心を掴みました。
絵画、小説、映画、演劇、オペラなど、さまざまな媒体でこの物語は語られ続けています。
おそらく最も有名なのは、オスカー・ワイルドが書いた戯曲でしょうか。英訳版でのビアズリーの挿絵も相まって、なんとも不気味な作品に仕上がっています。
この戯曲が日本で最後に上演されたのは1971年とのことですが、またどこかで誰かがやってくれると個人的に嬉しいです。
ついでに。「男の首×美女」というモチーフはサロメ以外だと旧約聖書外典に登場する女性ユディトにも共通します。
サロメだと首を盆に乗せており、ユディトだと剣を片手に携えている、という描き方が一般的なので、見分けるのは難しくない、はず!
ぼちぼち名古屋と大阪でカラヴァッジョ展があるのでカラヴァッジョを例に出すと、上がユディトで下がサロメ。
それでは続きから、モロー展Ⅲ章の人物紹介の続きへ、どうぞ~。
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