Εὕρηκα!

西洋古典学って、ご存知ですか?

#文学フリマ京都 に出店します

実は去る9月に開催された文学フリマ大阪にも参加していたのですが、その時はブログで告知していなかったので、今回はちゃんとやります。

とりあえず概要をば。文化研究の枠で申し込んでいますが、前回同様ノンフィクションのブースに紛れ込んでいますのでご注意ください。

*****

#文学フリマ京都 8【入場無料】
2024/1/14(日) 11:00〜16:00
🏢 京都市勧業館みやこめっせ 1F 第二展示場
📍こ-31「Eureka! #めるさんと西洋古典学
📖『①ようこそ!西洋古典学』¥700
📖『②黄金時代の詩人たち』¥800
詳細は▶bunfree.net/event/kyoto08/

*****

以下、各冊子の序文にあたるページの画像、細かな目次、併せて持って行くアクセサリーの目録が続きます。

 

続きを読む

じょるじん「ゲララ ~奴隷の子とメデューサの娘~」に関するひとりごと

これまでギリシャローマ神話を題材とした現代の創作物として、ディズニー映画「ヘラクレス」だったり、Sound Horizonの音楽作品「Moira」についてこのブログでたびたび紹介&解説(という名目の茶々入れ)をしてきました。

ヘラクレスについては記事カテゴリから、サンホラはこちらの記事をご覧ください。

eureka-merl.hatenablog.com

しかし、神話を使った創作というのは古今東西にいくつも存在します。それこそ我らがオウィディウスの『名高い女たちの手紙(Heroides)』だって、神話の大筋を逸れたところにあるifストーリーです。

いちおうHeroidesの解説記事も貼っておきます。

eureka-merl.hatenablog.com

 

今回ご紹介するのは、日本のサブカルチャーの代表的コンテンツでもあるVOCALOIDを使った楽曲――暗黒童話Pことじょるじん氏による「ゲララ ~奴隷の子とメデューサの娘~」。

タイトルにもあるとおり、ゴルゴーン三姉妹の末娘メドゥーサに関連する曲です。

 


www.youtube.com

 

サムネでびっくりしちゃった方はごめんなさい。今回のおしながきはこちら。

Ⅰ.作者じょるじん氏について

Ⅱ.この曲のストーリー

Ⅲ.古代におけるメドゥーサ神話の歴史

Ⅳ.「首を切り離しても死なないメデューサ一族」

Ⅴ.その他考えたこと

 

ネタバレを多分に含むので、必ず聴いてから読んでくださいね!

ボカロ音声が苦手な方は歌詞をどこかで読むのも可。

 

続きを読む

【演出編】自分の結婚式をどうしても古典色に染めたかった某はぐれ古典学者のはなし

演出の話をする前に古代ローマの結婚式がどのように進行されたかをお話しせねばなりませんね。もちろん時代や各家庭の状況により異なる箇所は大いにあるはずですが、一例は以下のとおりです。

 

①花嫁の身支度

結婚式前夜、花嫁はtoga rectaとflammeumをまとい、髪をsenicrinesと呼ばれる髪型にまとめます。下手ですが、図解するとこんな感じ↓

②犠牲式と誓言

当日の朝は花嫁の家に集合し、神々へ生贄を捧げつつ犠牲獣の内臓で吉凶を占います。新郎新婦は証人の前で双方が結婚に合意したことを宣言し、ユピテル・ユノ・ウェヌス・フィデス・ディアナに祈りを捧げました。

③花嫁の家での饗宴

新郎新婦による犠牲が済むと、日が暮れるまでは宴会。

④新居へ移動

夜になると全員で行列を作り、松明を灯して祝婚歌を歌いながら新居へ移動。花嫁はもう生家へ戻れません。

⑤新居での誓言

新居へ到着すると花嫁は新居の神々へ"ubi Gaius es, Gaia sum.(あなたがガイウスであるところ、私はガイアとなります)"という誓いの言葉を述べ、正式に花婿の家族になったとみなされました。

 

さて、この一連の流れをどのように現代日本の式進行に落とし込むか?

さすがに犠牲式はできません(笑) ただし、詩人カトゥッルスが友人のために作った祝婚歌をもとに、現代日本の結婚式と調和させることはそれなりにできたと思っています。

今回はその中でも音楽・演出面についてです。

 

続きを読む