勢いでメドゥーサ討伐宣言をしてしまったペルセウス。
途方に暮れる彼を助けてくれたのはヘルメスとアテナでした。
ヘルメスから翼の付いたサンダル、アテナから盾、ついでにハデスのおじさんから姿を隠す兜を借りて、武装は完了しました。
次に問題なのはメドゥーサの場所がわからないことです。
そこで聞いたのがグライアイという3姉妹のこと。この3人は生まれつき老婆で、1本の歯と1つの眼を共有していました。何を言っているかわからないかもしれませんが、わけがわからないのが神話の世界です。
3人で1つなので、当然手から手へ受け渡す時間があります。その隙をついて、ペルセウスは眼を奪います。
グ「あっ、これ、何をする!!」
ペ「返してほしかったらゴルゴン3姉妹の居場所を教えろ!」
そういえばメドゥーサ、ゴルゴン3姉妹について説明していませんでしたね。
ご存知の方は多いかもしれませんが、メドゥーサは髪の毛が蛇で、姿を見ると石になってしまうという女の怪物です。そしてゴルゴン3姉妹の末っ子です。長女ステンノーと次女エウリュアレーは不死なのですが、メドゥーサだけは死ぬと言われていました。
もともとは3人とも美しい人間の女だったのですが…、美しさを自慢しすぎて神の怒りにふれてしまったのですね。また、アテナの神殿でポセイドンとメドゥーサが交わってしまったからという説もあります。アテナは処女神ですから、自分の神殿でそのような行為が行われるなんて耐えられないのです。
そしてグライアイはゴルゴンの姉妹なのです。身内は守りたいもの、それは怪物でも変わりません。しかし眼を奪われたままではどうしようもなく、しぶしぶ居場所を教えるのでした。
さて、辿り着いたゴルゴンの住処はどんなところだったでしょう。石に変えられた人間や動物が転がっていたのでしょうか。
ペルセウスが慎重に進んでいくと、眠っているメドゥーサに遭遇しました。姿を直接見ないよう、盾に映しつつ――寝首をヘルメスの鎌で刈り取りました。
刈り取った首をすばやく用意していた袋に仕舞い、急いでそこから飛び去ります。袋からは血が滴り、その血を受けたリビュアの土から蛇が生まれたとオウィディウスは語っています。また、刈り取られた首からは、黄金の剣を振り回す怪人クリュサオルと、翼を持つ馬ペガソスが生まれたそうです。
妹の死を知った姉たちは、急いで襲撃者を追いかけます(姉たちは翼を持っていたのです)。しかし、姿の見えない襲撃者を見つけることは困難であり、復讐は叶いませんでした…。
こうして無事に(?)メドゥーサを倒せたペルセウス。あとは故郷に戻って憎きポリュデクテスに首を差し出せばOK…
だったのですが、ペルセウスの冒険はもう少し続きます。
つ づ く !