ディズニー映画『ヘラクレス』コメンタリ ~Megara~
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ネッソスを退治したヘラクレスは、助けた相手であるメガラに一目惚れ。
不器用ながらも懸命にメガラを口説こうとするヘラクレスですが、彼女は彼の求愛をひらひらとかわして立ち去りました。
彼女の正体はすぐ明らかになります。
ヘラクレスを見送ったメガラが向かったのは、不穏な空気に満ちた森の中。
『白雪姫』とか『眠れる森の美女』で見たよねこういう森。古き良きディズニーの暗い森。
そして出会ったのは可愛いうさぎちゃんとりすちゃん。『バンビ』感ある。
こちらの台詞、吹替では「ネズミが二匹ディズニーランドから抜け出してきたの?」となっていました。これは英語の台詞より好きかも(笑)
rodent(齧歯動物)を「ネズミ」と訳したのは、ディズニーの象徴たるミッキーさんを意識してのことだと思われます…。
まぁ正体はこいつらなんですけどね。18年ぶり~。
そしてこいつらがいるということはこの方もいますよ。
18年ぶりのハデス様です。
ハデス様曰く、メガラがネッソスを説き伏せてハデスの世界征服計画の仲間にする予定だったと。メガラはどんな弱みを握られているかまだわかりませんが、とにかく今はハデスの仲間です。今回ネッソスを引き入れられなかった罰として、メガラはハデスから「二年のおつとめ免除はなし」と言い渡されます。
ついでに言っておくと実際の神話上のメガラあるいはデイアネイラは、ハデスとは一切絡みがありません。そもそもハデスさんが人間と積極的に関わろうとするタイプではありません。
ハデスさんが自身の計画について話す時に出すチェス盤もどきです。左側にある青いケンタウロスのミニチュアはネッソスを模したものですね。盤面に他の怪物も見えるのが気になりますが…これは後々再登場するので今回はおいときましょうか。
ってかネッソスは river guardian なんだね、メガラちゃんの可愛さにやられて襲おうとしてたけど。
とはいえ言われてばかりじゃないのがメガラ(CV:工藤静香)。「私のせいじゃないわよ、ヘラクレスが倒したんだから」と言い返します。
18年ぶりに聞いたあの忌まわしい名前――子分たちは自分たちの失敗が明るみに出たことを恐れます。なんせハデスさんがこんな顔するから。
in a Peloponnesian minute という熟語は一説によると in a New York minute(すぐに、という意味)のもじりらしいです。
ペロポネソス…と聞いて真っ先に思い浮かぶのはペロポネソス戦争でしょうか。まぁこれは紀元前431年~404年の出来事なので、この物語の舞台である神話時代にはかすってもいません。
うーん、まぁペロポネソス戦争やってた時のアテナイやスパルタってそれなりに力を持ったポリスやったし、古代基準ならニューヨークみたいにちゃきちゃき物事が進む都会、やったんやろなぁ。(っていう解釈でいいのかな?)
この後ヘラクレスたちが降り立つテーバイはニューヨークばりの都会として描かれているけども。
自身の計画を阻むと予言されたあの忌まわしい赤子は滅ぼされたはず。ハデスは子分たちを問い詰めます。
ヘラクレスなんて流行り名前だからたぶん別人っすよ~とのたまう子分1。
「ヘーラー女神の名声」なんて名前が彼以外にいてたまるかと思いましたが、フランスの男性人名「エルキュール」はヘラクレスに由来するものでしたね。
何年か前はみんなジェイソンで今はみんなヘラクレスだから~とのたまう子分2。
ジェイソンはギリシャ語だとイアソン。何回か前に紹介したアルゴ号の冒険のリーダーだった人物の名前です。
手下たちが揃いも揃って失敗するハデスさん、怒りの森林破壊。デメテル姉ちゃんに怒られても知らんで~。
しかし存在が確認されたとはいえ、ヘラクレスが人間の体になった、つまり不死身でなくなったのはたしか。まだチャンスはあると思い直したハデスは、手下三人にリベンジを持ちかけたのでした…
今回ちょっと短いけど
つ づ く !!